検索エンジン対策とは
検索エンジンで自社サイトが上位に表示されるようにするための施策を指し、SEO(Search Engine Optimization)とも呼ばれます。具体的には以下の事を実施します。
- ホームページの作りは、検索エンジンがクロールしやすくページの重要性が高いと判断される作りにする。(内部SEO対策)
- 検索エンジンに適切にクロール(ホームページを巡回して、検索エンジンに索引付けしてもらう)してもらいページの重要度も適切に判断してもらうための、検索エンジン向けの仕組みを設定する(内部SEO対策)
- 外部の優良なサイトから、自社サイトへリンクを掲載してもらう(外部SEO対策)
主要な検索エンジン
日本の検索エンジンシェアを見ていただくと判りますが、日本では、Google、Yahoo!Japan(ヤフー検索)、Bingの利用者が大半を占めています。現在、ヤフー検索は検索エンジンとしてGoogleを採用しています。この事からGoogleとBingの検索エンジンに正しく索引付けしてもらえば良い事になります。
ホームページの作り(内部SEO対策)
Googleの検索エンジンスタートガイドに記載されている事項を反映させたホームページの作りにする事が重要です。具体的にはtitle(ページタイトルで検索結果の見出しとして表示される)とdescription(検索結果の要約として表示される)とbody(ページ本文で、実際の目に見えるページ)の各記載内容(記載文章)が同じ意味の内容を含んでいる場合にその1ページの重要度は高いと判断されます。
情報の質と量について、特定の分野の情報が適度な量(ページ)で掲載されており、重複した内容のコンテンツが少ない(検索エンジンを悪用しようとした意図的に一部だけ変更して増殖したページが少ない)ホームページが、検索エンジンで重要度が高いと判断されます。ホームページへ自社のビジネスを適切に掲載すれば、自ずと特定の分野の情報量と質が高まりますので、ホームページを最初に作ったらそのまま放置するのではなく、定期的に永続的に育てて行く(更新して行く)ことが必要です。
また記載する情報はどのようなユーザーに向けての情報なのかや、訪問したユーザーが目的に達するための導線も考えられているかなど、ホームページの構造も配慮が必要です。Googleが掲げる10の事実を自社のビジネスに当てはめて考えて見るのもヒントになると思います。
※本記載事項は、広告LP(ランディングページ)には当てはまらない場合があります。広告費をかけて特定の商品やサービスを一定の期間で紹介する場合には、訪問後の見た目や訴求内容を重要視するためです。
検索エンジンに適切にクロールしてもらう対策
検索エンジンに適切にクロールしてもらうためには、ホームページの更新時に検索エンジンへサイトマップ(XML sitemap)を送信したり、検索エンジンのクロール結果のエラーや警告への対応が必要です。これらの作業は、各検索エンジンが提供する無料のサービスを利用する事で実施できます。
- Google Analytics (Googleアナリティクス)によるアクセス解析
- Google Search Console (Googleサーチコンソール)による検索エンジン対策
- Bing Webmasters Tool (Bingウェブマスターツール)による検索エンジン対策
上記の3つのサービスは、同じGoogleアカウントで利用される事をお勧めしています。Google AnalyticsとGoogle Search Consoleは連携が取れる点と、Bing Webmaster ToolはGoogle Search Consoleの情報を取り込めるからで、特にBingのアカウントを開設する時には、Googleアカウントのメールアドレスで開設した方が利便性が高いです。
sitemap.xml (XMLサイトマップ)
XMLサイトマップが設置されていない場合には、検索エンジンロボット(検索ボット)が、ホームページを解析して各ページ内のリンク先のページも調べて行き検索エンジンDBに索引付けを行います。この時にリンク構造が貧弱なサイトであった場合にはクロール頻度の問題からページが索引付けされない場合があります。ページが索引付けされない場合には当然検索結果へも表示されませんし、ホームページ全体の情報量や質の評価にも影響が出ます。検索エンジンの自動的な解析を補助する上でXMLサイトマップ(sitemap.xml)をホームページのルートディレクトリに設置する事が推奨されます。
XMLサイトマップ(sitemap.xml)には、ホームページ内のページ構成やホームページ内での各ページ毎の重要度などが記述されます。意図しないページが検索結果の前に表示され、本来検索結果として前に表示したいものが検索結果の後ろに出てくるような場合には、XMLサイトマップの永続的な見直し調整も必要です。XMLサイトマップを変更したら、Google Search ConsoleやBing Webmasters Tool を用いて検索エンジンに通知します。XMLサイトマップの自動生成ツールや自動通知ツールもありますが、これらの利用はホームページをどのように維持するのか(自動で良い範囲と考えるか、きめ細かい範囲で手動で効果を出すか)の判断で検討すれば良いと思います。
robots.txt (検索エンジンロボット)
検索エンジンロボットがホームページをクロールする時に無駄な事をさせないために、robot.txtをホームページのルートディレクトリに設置する事が推奨されます。検索エンジンロボット(検索ボット)は、ホームページを解析して各ページ内のリンク先のページも調べて行き検索エンジンDBに索引付けを行います。この時に意図しないページも索引されてしまう場合や、存在しないページへのリンクや保護がかかったページ(LOGIN認証が必要なページやアクセス制限がかかったディレクトリ)に対するエラーや警告が発生する場合(HTTPステータスコード400番台)があります。またクロール時にWEBサーバーの何らかのエラー(例えばプログラムエラーにようInternal Server Error:500)が発生(HTTPステータスコード500番台)すると、その後の索引付けを検索ボットは停止します。これらに対しては次のアクションが必要です。
- 意図しないページを索引付けしない様にする→ robot.txt内にそのページをDisallow: として記述する
- HTTP400番台→リンク先が存在しない場合にはそのリンクを記載しているページを修正する。アクセス制御をかけている場合にはbot.txt内にそのページをDisallow: として記述する。
- HTTP500番台→最悪の場合には、ホームページの索引付けが消滅(検索エンジンで表示されない)するので早めの修復を行う。(プログラムの修正や、不要なものであればリンク元のページを変更したり、エラーのプログラムを削除する)
robots.txtを設置しない選択も可能ですが、検索エンジンで意図した通りに索引付けされて検索結果に表示されるようにするためには、Google Search Console やBing Webmasters Toolを用いた確認結果やそのツールからの通知メールをもとにして、robots.txtを保守する事を当サイトではお勧めしています。
外部SEO対策
優良なWEBサイトや、優良なブログサイト、優良なSNSサイト、自己のビジネスに関連が深いサイトに、自社のホームページをリンクしてもらう(「被リンク」と呼びます)事で検索エンジンからのホームページの重要度がアップ(検索結果の上位に表示されるようになる)します。
数年前までは被リンク数が多ければ検索結果の上位に表示されましたが、現在においては自社のホームページと関係がない検索エンジンで低評価されているサイトからのリンクが多いと、検索エンジンの検索スパム扱いになり、自社のホームページの重要度が下がり検索結果の上位に表示されなくなります。このため、被リンク数を無条件で100個確保などと言う業者にはひっかからないようにしてください。
最低限実施した方が良いのは、Googleビジネスプロフィール の掲載です。Googleビジネスプロフィールは、Googleアカウントで無料開設・無料利用ができ、Google検索や、Googleマップの検索で自社のホームページへ誘導できます。Googleビジネスプロフィールへは自社ビジネス内容、所在地、営業時間、写真や画像が掲載でき、利用者が検索した検索ワードに関連して利用者が検索した場所に近い情報が検索結果として表示されます。パソコン等では、検索結果の右横に大きく自社のビジネスプロフィールが表示されますので、自社のホームページへの集客効果は絶大です。他に検討した方が良い内容を下記に記載します。
- 取引先業者のホームページやSNS等に被リンクを依頼する
- 関連業種のポータルサイトに掲載する。(自ら登録して無料掲載できるサイトも多い)「業種名 ポータルサイト」などのキーワード検索をすれば大抵数か所見つかります。各ポータルサイトへ掲載した時には利用登録情報(メールアドレス、利用者ID、パスワード)も控えておくようにします。(社員の異動や退職などで判らなくならないように!)
- ホームページへのSNSシェアやSNSフォローの仕組みの組み込み(訪問者による拡散)
- Facebookビジネス: Facebookビジネス プロフィールの公開は無料です。Facebookから自社ホームページへの集客や、タイムラインをホームページへ埋め込む事でブログ的な内容をホームページへに表示させる事もできます。
- X(旧Twitter ツイッター): 適時ツイートする事で検索エンジンの新着に拾われやすいので、ホームページへ集客できます。
- LINEヤフー for Business(LINE公式アカウント): 無料のプラン(メッセージ通数の制限有)から始められ、自社ホームページへの囲い込みができます。
- YouTube(ユーチューブ): 製品やサービスの動画から、自社ホームページへの集客や、ホームページ内への動画の埋め込みなどができます。
悪い業者へ引っかからないように
筆者は50社(100サイト)以上のお客様のホームページの新規やリニューアルに携わってきた経験から、上記のSEO対策を殆ど実施していないSEO対策業者(毎月月額を取る)や、ホームページ制作会社(SEO対策したホームページを作りますと言って作られたホームページ)も見てきました。しっかり対応している会社もありますが、今まで相談を受けた会社の30%程度はSEO対策がボロボロの未対応の状態であったり、他の30%程度は部分的なSEO対策のみの状態であったり、全体の80%のお客様はGoogleサーチコンソールやBingウェブマスターツールの存在すら知らなかったと言う現実がありました。これは、お客様の意識にも影響する事で、とりあえずホームページを作ったからそれで良いと言う感覚でいたお客様共通の問題だったと思っています。相談を受ける過程で今後はホームページをビジネスに繋げたい、継続的に改善して効果を出せるようにしたいと言うお話しを伺います。そのような時にお客様に以下のような投げかけをしています。
- ホームページ制作業者やSEO対策業者を選ぶ時に、このページに記載されているような内容を各業者は理解して対応してくれますか?どのような施策を行ったのかを教えてくれますか?定期的な見直しもフォローしてくれますか? → しっかりと対応してくれる業者を選んで発注してください。(毎月何もしないで費用だけ発生する業者は、他の業者に変えたり、やめた方が良い)
- ホームページ制作会社やSEO対策業者は、お客様のビジネスを100%理解する事はできません。お客様のビジネスはお客様自身のものです。お客様自身でSEO対策の考えや方向性をほんの少しで良いので定期的に考える気持ちがありますか? → お客様自身の意図が伝われば、まっとうなホームページ制作業者やSEO対策業者は対応できます。(全て丸投げで良い結果は出ません)
- ホームページのアクセス解析を定期的に確認したい気持ちはありますか? → ホームページにどのようにたどり着いて(訪問して)、その人はどのような人(男女、年齢層、地域)で、どのような経路で各ページを見てから離れていったか(滞在時の行動)の傾向が解ると、ホームページの改善点や営業面でのヒントが見つかります。このような事を第三者のホームページ制作会社やSEO対策業者に丸投げしても良い結果が出るはずもありません。Google Analytics (Googleアナリティクス)を用いて、じっくりと観察すると訪問経路や客層、行動パターン等が確認できます。これらの情報はビジネスの主体であるお客様自身が定期的に活用する事でビジネスの改善に繋げる事が可能となります。ホームページ制作会社やSEO対策業者には補助的な立場で依頼をして、あくまでビジネスの主体のお客様主導で検討されるべき事項と思います。
まとめ:お客様主導(SEOの概要知識を持ち)で、ホームページ制作会社やSEO対策業者に補助してもらい、ビジネス拡大に繋げてほしいという記事です。
※筆者は過去に「Google Open Business Partner」として活動しておりました。